第1回ワカメサミット開催!
2019年6月1日(土)
東京都中野区中野2丁目12−9 高田ビル(宮城漁師酒場魚谷屋)
ワカメフィッシャーマン19名、お客様47名
ワカメ尽くしの1日
6月1日(土)、東京都中野区の宮城漁師酒場魚谷屋で第1回ワカメサミットが開催されました!
北は岩手県、南は佐賀県と全国からワカメフィッシャーマンが集まり、ワカメ関係者でワカメの未来を考える第1部と一般の方を巻き込んだワカメ懇親会の第2部の2部構成でワカメサミットが行われました。
ワカメを熱く語った第1部
ワカメサミット第1部は、ワカメ業界関係者が集まりワカメの未来について話し合いました。
参加したワカメフィッシャーマンはこちらの皆さまです!
【岩手県】
・洋野町 下苧坪之典さん
・大船渡市 千葉豪さん
・大船渡市 中野圭さん
【宮城県】
・気仙沼市 畠山政也さん
・気仙沼市 藤田純一さん
・南三陸町 高橋直哉さん
・石巻市 阿部勝太さん
【佐賀県】
・唐津市 宋秀明さん
また東京都、群馬県、徳島県からワカメの加工や流通を行う会社さんが参加し、全国各地からワカメ関係者・協力者が集い開催されました。
発起人の千葉豪さん
そして、このワカメサミットの開催を呼びかけたのは大船渡市のフィッシャーマン、千葉豪さん。近年のワカメを取り巻く状況の危機感、ワカメに関わる人たちがつながれる場をつくりたいと企画されました。
ワカメをつくるとは?
第1部のはじめには、フィッシャーマンによる事例紹介が行われました。
トップバッターの阿部勝太さんはサラリーマンを経て浜に戻り、フィッシャーマンになりました!いまでは石巻市十三浜でご自身の会社「浜人」(https://www.hamanto.com/)を経営されたり、石巻の若手漁師が集い漁業の未来をつくっていこうと設立された「フィッシャーマン・ジャパン」(https://fishermanjapan.com/)の代表を務めている阿部さんですが、浜へ戻ってきたばかりの時は「こんだけ働いているのに、この所得は身に合っているのかと疑問になった。辞めないで前職に居た方がと思うこともあった。」とのこと。ですが、その後漁業の課題に向き合い、独自の販路をつくっていくことや「阿部勝太のワカメ」としてブランドを立てていくことを続けてきました。その過程でこんなことを考えられたそうです。「ワカメの価値を伝えるのは、ある意味ワカメのファンを作るということと思う。」「ライバルどうのではなく、お客さんがそのワカメを好きになってくれる商品をつくりたい。」。ワカメを好きな人を増やしたい、ワカメの価値をあげたいと、阿部さんは本当に多くの活動をされています!
二人目の藤田純一さんは異例の経歴の持ち主!ホテルの料理人を経験してからフィッシャーマンになり、ワカメをつくるだけでなく食べるシーンまで思い浮かべられる藤田さん。なぜほかの職種からフィッシャーマンになったかと言うと「海は儲かるを子どもの時から親が日常で見せていた。」「魚を食べるとき、ホテルで食べるのと家で食べるのとでは、正直家の方がおいしかった。」と言う経験があったのだとか。漁業の町で育ち、魚の食べ方を知り尽くしている藤田さんならではの考えですね!また藤田さんは家業の「藤田商店」(https://fujita-uminosachi.com/)や三陸の作り手と食卓をつなぎたいと設立した「さんりくみらい」(https://gokujo-ichiba.sanrikumirai.co.jp/)を通し、三陸の海の幸をお届けされています。こういった活動を通し「お客さんが満足して、喜んでもらえるような付加価値をつけることが大事。」「皆が良くなるように、最終的にお客さんがわかめが好きで、持続して食べられる関係をつくりたい。」と言った熱い思いを語られました。
ラストバッターは佐賀県唐津市の離島「松島」からの参加の宗秀明さんです!松島は「呼子の朝市」で有名な呼子港から定期船で15分の場所に位置する離島です。この島で代々海士の家系で育った宗さんは、素潜りでわかめを収穫しています。5mの深さまで潜り、若くて新鮮なわかめのみ収穫しているそうです!その収穫の様子がこちらの動画で見れますので、ぜひご覧ください!
ヨーロッパでも注目される海藻
ワカメサミットでは漁師だけでなくワカメに関わる人が集まり、情報交換ができる場を目指しています。第1回の今回は、美食の街で有名なスペインバスク地方サンセバスチャンから、こちらで食の取組の準備をしている本間勇輝さんがゲストで来てくれました。
はじめに、サンセバスチャンはなぜ美食の街と言われているのかについてから話してくださいました。「大きくは飲食店レシピをオープンソース化し、共有化していった。」「それほど大きくないエリアにたくさんの観光客が来ている。これ以上観光客を増やすと言うことはせずに、質の向上に努めている。」この2点がキーになっているのではないかとのことでした。
またヨーロッパでも食用海藻はseaweedとして流通しているそうです。ただ一般の人はあまり食べておらずスーパーフード的な存在で見られており、加工品で流通しているとのこと。
サンセバスチャンの例を出すと、生のワカメが提供されることはないが、ソースの原材料で注目されつつあり、感度の高い方から認識されてきているそうです。
真剣なワカメの食べ比べ
話し合いを進めているうちに、会場の魚谷屋さんがワカメを調理して提供くださいました!どのワカメが誰のかわからなくしての食べ比べ。果たしてフィッシャーマンの皆さんは自分のワカメがわかるのか!?
皆さん、真剣な目でワカメを吟味しています。
いよいよワカメを選びます。せーので指を指しました!
結果は皆さん、大当たり!さすがでした!!
ワカメサミットは来年に続きます!
第1部の最後に、発起人の千葉豪さんからこんな話がありました。「今までは産地の品質やブランド価値を高めようと取り組んできた。」「だが漁業の世界には独り勝ちは存在しない。皆で取り組んでいける形をつくっていきたい。」。
そして来年は「三陸で開催して各地のワカメフィッシャーマンを招待したい!」このように宣言していました!
お客様との交流で盛り上がった第2部
午後18:30からはじまった第2部は、一般の方も交えたワカメ大交流会!ワカメを味わいながらワカメに詳しくなっちゃおうと言うイベントです!
フィッシャーマンのトークを聞いたり、アームレスリング大会が開催されたりと大盛り上がりでした!